暖かい雨が降る日 a


ぐずついた天気の中で野菜の様子を見てまわり そして仕事に向かう
風雨に揺れる蜜柑の白い花が あたりに甘い匂いを撒き散らしている
この天候じゃ それに惹かれてやってくる昆虫などいない




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まる2日間雨が降り続いている 月曜の11時 約束の時間

 「雨の日って体調が崩れやすくて嫌じゃありませんか?」
鍼灸院の先生が施術の準備をしながら尋ねた
 「いえ特に」
別に雨が嫌いな訳でもないし
降雨で体調に異変を来たすような怪我もしていないので そう応えた
しかし昨日の日曜日はかなり強い風雨だったので
 「午後からは退屈だったのでずっと読書をしていた」とも付け加えた
いつも左の肩が凝って痛むのだがひととおりの触診を終えると施術にかかった
左肩がおかしいからといっても左肩を治療する事は殆どない
主に左手首と右足首の脈を取って確かめつつ治療を繰り返してゆく

ラジオはNHKのAM放送が流れている

世間話の気分でもないので鍼灸のメカニズムを問いかけてみた
少しばかり早口で多少難解な用語だったのでうまく理解できないまま話が変わった
東洋の鍼灸で痛みを伴うような施術ではないのだというが
あまりにも痛くないので効いているのかどうか疑いたくなる
次回また同じように訊いてみようと思う
いつも痛みのない右肩の方がすぐれないと言われる
今回もそうだった

4、50分の施術が終わり外に出ると温かい雨が優しく降っている
肩の痛みは嘘の様に和らいでいるし だいたいこんな雨の日は嫌いじゃない