梅雨時

ラジオを聞いてて違和感が
「耳触りのよい…」 「耳障りのよい」が真っ先に…
いや~絶対変だし   耳当たりとか耳に心地よいとか…  ブツブツ・・・


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百貨店の催事場

大きなビアガーデンがすっぽりと収まってまだ余るほどの屋上に
バンドの楽器を配列しステージの設営をしている
しかしいつまでたっても一向に完成する気配もなく
もちろんコンサートが始まる雰囲気もない
スチールの柵に置いた両手を離しその場を去ろうとした時
隣で、これも様子を見ていた女性が話しかけてきた
ショートヘアの30半ば位のちょっと小柄な女の子。といってもいいような


「指輪、していないのね」

「  ああ、しないんだ。結婚しているけど」

「そう。素敵な指だと感心してたの」

「この演奏は始まりそうにないんだね」

「そうね、さっきからちっとも設営が進捗していないわ。待ちくたびれたし、帰ろうと思ったら柵に綺麗な指があったの」

「そう。それはどうも。僕もここでの暇つぶしを諦めようかと思っているのだけれど。その辺りでビールでも軽く飲まない?指について聞かせてくれないかな」

「それもいいけど、今日はよすわ」

「それはちょっと残念だね。この先2度と会えないと思うけどね」

「沢山の人が生息しているから私も2度と会う事がないと思うわ」


エスカレーターの方に歩きながら並んで会話をした

「美しい人に2度と会えないのは残念だよ」

と言い、僕はエスカレーターの前で背を向け戻ろうとした

「そうね私も綺麗な薬指を見ていたいわ。じゃあ待って」


連絡先を教えるけど…と言って名刺を出そうとしたように見えた。
しかし、取り出したのは竹を削り出して丁寧に作られた茶さじだった。
その匙の後ろにボールポイントで名前と電話番号を書き入れて僕に渡した。

「明日になってみて気分が変わってたなら掛けなくていいのよ。私も気分じゃなかったら出ないから」

そういって匙を手渡し彼女はエスカレーターを下っていった


そんな夢だした;